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これってストレス?それとも病気? ヘアカラーメーカーの研究員に聞く、理屈でわかる白髪発生のメカニズム

これってストレス?それとも病気? ヘアカラーメーカーの研究員に聞く、理屈でわかる白髪発生のメカニズム

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30代、40代と加齢とともに増えてくる髪のお悩みが白髪です。白髪が生えてくる時期、どうして白髪が生えるのか、予防法はあるのかなど、白髪にまつわる気になるあれこれをヘアカラーメーカーhoyuの研究員に聞いてみました。

目次

40代の髪の悩みの第一位は?

インタビューアー

30代~40代になると、いろいろな髪の悩みが増えてくると思いますが、どのような悩みが多いのでしょうか?

小林研究員

20~40代の女性を対象にした髪の悩みについてのアンケート結果(下)をごらんください。

あなたの髪の悩みはどのようなことですか?

※40代上位8位までの悩みを抜粋、9位以下の項目は下記、
髪が太い、髪が硬い、ボリュームがない(髪の量が少ない)、枝毛・切れ毛が多い 髪が細い、髪が柔らかい(ハリ・コシがない)、特に悩みはない、その他

40代以上の女性の多くが白髪について悩んでいる

白髪に悩んでいる40代女性の白髪量はどれぐらい?

インタビューアー

白髪は何歳くらいで生え始めるのですか?

小林研究員

白髪が生え始める年齢には個人差があります。
おおよその目安ですが、「白髪が生え始めた」と感じる人が多いのは30代後半~40代にかけてです。
ただ「白髪が生え始めた」と感じるのは、額の生え際など、自分の目で見える部分に白髪を見つけたとき。もしかしたら自分では気づかない間に、つまりもっと早い年齢に白髪が生え始めているのかもしれません。
下の表を見るとわかるように「白髪の量が増えてくる」のと感じるのは30代以降です。
そして40代以降になると約半数の人が「髪全体に白髪がある」または「部分的に固まってある」と感じていることがわかります。

あなたは現在、どのくらい白髪がありますか?

30~40代で白髪はグンと増加。40代では2人に1人が、「髪全体に」または「部分的に固まって」白髪があると感じています。

白髪の生えるメカニズムとは?

インタビューアー

白髪はどんな風に生えるのですか?メカニズムについて教えてください。

小林研究員

下のイラストのように、白髪は3つのステップを踏んで進んでいきます。
髪はもともと白い状態で生まれてきます。その髪を黒くする役目を持っているのが、メラノサイトという色素細胞です。メラノサイトがメラニンという色素を作り、その色素を毛母細胞に渡して初めて髪は黒くなる(イラスト0参照)のです。

ステップ0(黒髪の状態

毛球で色素細胞が毛母細胞にメラニン色素を渡し、黒髪が生える。

小林研究員

この髪を黒くする働きが全般的に弱くなってくると、白髪になります。

ステップ1(白髪の第1段階)

色素細胞がメラニン色素を作る量が減ることで、黒い色素が少し抜けた白っぽい髪が生えた状態。

小林研究員

この段階の白髪は、髪を抜いて白い紙の上に置いてみると、うっすらと色がついていることが多いでしょう。つまり黒髪の色素が少し抜けているので、黒髪の中では目立つけれど、白髪としてはまだ初期段階なのです。

ステップ2(白髪の第2段階)

色素幹細胞が色素細胞を作れない状態

小林研究員

髪を黒くするメラノサイトという色素細胞を作るのは、その親分である色素幹細胞です。この色素幹細胞が色素細胞を作れないのが白髪の第二段階。
この段階になると毛球に送り込まれる色素細胞の数がぐんと減り、色の薄い毛になったり、場合によっては色素細胞が全く送り込まれなくなるので、根元から真っ白の毛が生えてきます。

ステップ3(白髪の第3段階)

永久白髪の状態

小林研究員

さらに段階が進むと、色素細胞を作るモトの色素幹細胞がなくなるため、色素細胞ができず、メラニンを作れなくなってきます。これが白髪の第三段階で、永久白髪と呼びます。
第一段階、第二段階の白髪は黒髪に戻る可能性があります。しかし第三段階に進んで生まれた白髪は、二度と黒髪に戻ることはありません。

まとめ

40代女性の9割近くが白髪を経験しており、白髪の悩みは40代女性の髪悩みの1番になっています。また、白髪といっても、いくつかの段階があり、早い段階の白髪であれば、元の黒髪にもどる可能性があります。

ただし、どの髪が黒髪に戻る白髪なのか1本1本判別したり、根本から白髪をなくすことは今の技術では難しい現状です。あまり深く悩みすぎず、黒髪にもどる白髪もあるんだと前向きにとらえたり、発想を転換して、新しいオシャレのきっかけとして、白髪対策を考えてみる方が合理的なアクションではないでしょうか。

最後に、
白髪の段階を進ませると考えられている要因はいくつかあります。主な要因は 「遺伝」「加齢」「生活習慣」「病気」「ストレス」の5つです。
5つの要因については次回詳しく解説いたします。(次回4月下旬公開予定)

監修

小林 愛さん

ホーユー株式会社 総合研究所 先端技術研究室 新領域研究課 研究員

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